キンちゃんに会いたい。


 ある日の事。
NHKで、朱鷺(とき)の特集をやっていました。
朱鷺が写っている8ミリ(ビデオじゃないよ)を流してくれた。
群れで飛ぶ朱鷺、宇治さん(キンちゃんを保護した人)から餌をもらう子供のころのキンちゃん。
雪の中の朱鷺色の群れはとてもきれいでした。
 その番組の中で、宇治さんの奥さんが、
昔キンちゃんと出会っていた畑の角で、そのころの話を聞かせてくれたのでした。
色んな想い出のお話。
もちろん宇治さんの事も。。
「僕は、126日目にキンをうらぎったんだ。」
と、宇治さんは口癖(くちぐせ)の様に話していたという。
この番組をみてから、キンちゃんにどうしても会いたくなったのです。

 1968年3月15日にキンちゃんは、
宇治金太郎(うじきんたろうさん)さんによって保護(ほご)されたのだけど、
時代も時代で色々なプレッシャーだったのだと思います。
なんせ、宇治さんがお亡くなりになった時の最後の言葉も、
「産まれた、産まれた。。」だったそうです。
最後まで、朱鷺の事を思い、
キンの事を愛し続けたのでしょう。

宇治金太郎さんの御冥福(ごめいふく)をお祈りいたします。


 1995年に日本産最後のオス「ミドリ」が亡くなった時、
日本の朱鷺の絶滅(ぜつめつ)は確定(かくてい)しました。
日本産の朱鷺は「キン」だけになってしまいました。
そして僕は、日本産のニッポニアニッポンという鳥が生きているうちに、
会いに行ってみました。

@佐渡に行った時の日記です。@

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